まだ調査が済んでいないため、明らかとはなっていませんが、土石流の起点には谷地形部に盛土が施されており、これが原因である可能性が指摘されています。
斜面崩壊や土石流は山の中で収まる場合には災害とはなりません。
下流部に人家などがあり、そこへ崩土などの流出が及んだ場合に災害となります。
逆に、人家などがある場所の近くの山には人間生活に必要な道路などの人工構造物が造られることが多く、これが災害に至る崩壊などの発生場所になることがあります。
過去に豪雨による崩壊や土石流が多発したときに、いくつかの現場の状況確認調査を行ったことがあります。
その時、斜面上の道路(林道や農道)が発生場所になっている場合が結構多いという印象を受けました。
その時は谷横断盛土が流出するようなものはありませんでした。
斜面上の道路は横断地形の変換点になったり、路面を流れる水が特定の場所に集中したりします。
その一例を以下に紹介します。
【過去の土石流状況調査事例】
土石流被災現場(土砂が堆積しているのは国道です)
土石流最上部の崩壊地
同上(林道路肩が崩壊しています)
林道沿いには土石流には至っていない小規模な路肩崩壊が多くありました。
路面には雨水が流れて浸食された跡も多くありました。
崩壊していない路肩のクラックもありました。